ボクサー(シングル盤、モノラル版、工事中)
2022.04.2
サウンドオブサイレンスと同様に何度も何度も聞いていたのがこの「ボクサー」でした ... (続きはクリックしてください)
当時はアナログレコードの時代なので、レコードを何度も聴くとレコードが傷んでしまうため、出たばかりのカセットテープレコーダーに録音して、テープで何度も何度も聞いていました。といっても最初のシングル盤のころはなぜかあまり印象がなく、しばらくしてから急に興味をもった曲でした
映画「卒業」でサイモンとガーファンクルの名声は高まり、日本でもかなり知られるようになりました。しかし実際にはこの映画を境にポールとアートの仲がぎくしゃくしていきます。
新しい曲づくりに励んでいたポールサイモンに対し、アートは映画「卒業」の監督「マイクニコルズ」に見染められ、映画の出演の話が進んでいきました。そして「キャッチ22」の撮影に入り、二人は別々の行動をとり始めました。
ポールサイモンは意欲的にさまざまな曲調に挑戦していました。このボクサーも100時間以上の録音がなされたといわれていますが、ほとんどがポールサイモンです。最初のシングルバージョンはモノラル盤ですが、アルバム「明日に架ける橋」に収録されたとき、ステレオ版も含まれています。
ただそのころ、日本でも複雑な状況になっており、最初、Columbia のレコードは日本コロンビアから発売されていましたが、ソニーがコロンビアとの契約に成功し、CBSソニーとしてレコードを販売することが可能になりました。ちょうどこの1969年、1970年は日本コロンビアからCBSソニーに切り替わる時期でした。といっても日本コロンビアが急に販売中止するわけではなく、すでに契約しているものについては販売も継続、ただし新しく制作することはない、という感じだったと思います。そのため、CBSソニーは1968年ごろから日本コロンビア時代のレコードも新しく発売することになりました。
このボクサーもちょうどそのころのレコードで、日本コロンビア盤なのかCBSソニー盤なのか、よく分かりませんでした。ただアメリカ版やイギリス版での「シングル版」はほとんどがモノラル版でした。でもCBSソニーからのシングル版はほとんどがステレオ版でした。それでよくよく調べたら、CBSソニーからのシングル版(ステレオ版)はほとんどがアルバム(CBSソニーではほとんどすべてがステレオ版)からのカッティングでした。つまりシングル版の音源ではなく、アルバム版の音源のため、アルバムとまったく同じでした。
CBSソニーになってからも「モノラルのシングル版」は日本コロンビアの権利のようで、結局、CBSソニーはステレオ版でしかシングルにしていませんでした。そのため、シングル盤のモノラル版はアメリカやイギリスから輸入しないと手に入らないと分かり、最初は輸入ショップなどで探していました。輸入ショップは売れるものしか扱わないので、昔のシングル盤を扱うことはありませんでした。結局、社会人になってからアメリカやイギリスに出かけてはレコード店を探し回ることになりました。その後、かなり時間がたって、「初期からのシングル盤をまとめて限定再販」され、アメリカ版と同じ音源のものが手に入りました。